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最近,ややお堅い記事が続いていたので,今回はちょっと軽めなネタで。

この業界には,「弁護士時間」という言葉があります。

これは,弁護士が時間を守らないことを自虐的にいう(時には裁判所等から,侮蔑的に
呼ばれる)ときの言葉です。

以前は,弁護士は,分刻みで忙しく仕事をしていることが勲章であるかの
ように言われ,スケジュールを組むときも,ギチギチに詰め込んでしまうために,
どんどん時間が押してしまって,お客さんを30分から1時間くらい待たせることも
平気な風潮があったようです(病院の診察予約に通じますね。。)。
昔は,裁判の期日にすら,平気で遅刻するような弁護士も結構いたようです。

弁護士の社会的ステータスの低下や,一般市民からの視線の厳しさにより,
最近は多少は改まったようで,裁判期日に遅刻するような弁護士こそ
少なくなりました。

それでも,法廷に時間ギリギリに駆け込んでくる弁護士は非常に多い気が
しますし,待ち合わせ時間を守らない弁護士は非常に多いです。
特に弁護士登録後20年以上経ったようなベテラン弁護士には,その傾向が
顕著な気がします。

そのため,結構時間に几帳面なところがある私にとっては,この業界は
非常にストレスが溜まります。。

しばらく前ですが,裁判所の第1回口頭弁論期日に出廷したところ,
相手方の弁護士2人の内,若手1人だけ出廷しているのですが,
そのボスであるベテラン先生が来ません。
東京の先生で,自動車で移動中とのこと。
若手先生や裁判所書記官が相手方弁護士に連絡を取ろうと試みますが,
移動中のためか電話に出ない模様。

すると,期日の時間から15分くらいして,
「いやー,渋滞にはまってしまって,遅くなりましたー。」と言いながら,
ベテラン先生がやって来ました。。

それを聞いた私は,

「来る前に,道路情報確認すりゃ分かるだろ,そんなこと!!」
「ギリギリで来ようとするからだろっ!!!」


という心の叫びとともに

秘儀「音の聞こえない舌打ち」

を繰り返し,宮本武蔵を気取った(?)ベテラン先生のじらし戦術を
何とかかわしました。


ていうか,そんなことやってたら,この業界に未来はないと思うのです。

「時間を守る弁護士!!」
なんていうのが,キャッチフレーズになったらお終いですね。。
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こんにちは。
また,しばらくの間更新をサボっていて,申し訳ありません(汗)

日ごろから,刑事事件について色々と書いていますが,弁護士としての
立場から書いてますので,どうしても警察や検察のことを,あたかも
悪者のように(そして,裁判所・裁判官のことを「分からず屋」のように)
書いてしまいがちです。

我々弁護士としては,刑事弁護の場面では,国家権力の暴走に歯止めを
かけるという役割を担っているのですから,これもやむを得ないことかと思います。

ですが,当然のことながら,警察官・検察官・裁判官にも,人単位では,
いい人も沢山いるわけで,時折,ほっこりしてしまうような出来事があるときも
あります。


今やっている被疑者国選の事件で,被疑者に接見禁止がついていました。

接見禁止とは,弁護士以外の人が面会することができなくなる処分で,
共犯事件や組織犯罪,暴力団関係の事件などの場合で証拠隠滅の
おそれが高いときなどにつけられることが多いです。

ところが,接見禁止がついてしまうと,事件の関係者だけでなく,
明らかに事件とは関係がないような被疑者の家族すら会えなくなってしまうわけで,
被疑者の精神的負担や不利益は非常に大きくなってしまいます。

そこで,弁護人としては,接見禁止の処分に対して「準抗告」を申し立てて,
接見禁止を外すよう裁判所に見直しを求めたり,「接見等禁止一部解除」を
申請して,近親者に限って,接見禁止を外すよう求めたりします。


今回の事件では,被疑者の奥さんに間もなく子供が生まれるため,
出産前に一度顔を見せてあげようと思い,接見等禁止一部解除を申請
しました。

検察官は,弁護人から申請があると,それに対して意見を出してくるのですが,
ほとんどの場合,「不相当」など,木を鼻でくくったような意見を出してきます。

ところが,今回の検察官は,「しかるべく」という意見を出してきてくれました。

「しかるべく」とは,我々法曹がよく使う言葉で,相手方の申出に対して,特に
異議を述べないときに使われるものです。
検察官から「しかるべく」の意見が出れば,裁判官は,特に問題なく
接見禁止を一部外してくれます。

検察官は,被疑者に間もなく子供が生まれるという事情に配慮して,
粋な取り計らいをしてくれたんだと思います。

こういうことがあると,検察官も鬼じゃなくて,人の子なんだと分かり
(いや,別にこういうことがなくても,分かってはいるんですが。。),
何だかちょっと嬉しくなりますね♪
芸能界の泥沼離婚劇でも近年稀にみるほどの注目を集めている(個人的には
沢田亜矢子VSゴージャス松野以来の泥沼ぶりかと思います。。)
高嶋政伸と美元夫妻の離婚訴訟の判決が今日東京家庭裁判所で出ました。

結果は離婚が認められ,原告(高嶋政伸)側の勝訴となったようです。

高嶋、美元とも出廷せず…わずか30秒で終了「婚姻は破綻している」

裁判で離婚が認められるためには,民法770条1項に定められた事由が
認められなければなりません。

民法770条1項は

①配偶者の不貞行為(1号)
②配偶者による悪意の遺棄(2号)
③配偶者の生死が3年間不明(3号)
④配偶者が強度の精神病で,回復の見込みがないとき(4号)
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由(5号)

という5つを列挙しています。

①から④までの事由がある場合に離婚が認められるのは,まあ当然のことの
ように思えますよね。
ところが,実務では,①から④までの事由が明らかに認められるような
場合は少なく,ほとんどの場合が⑤の要件を巡って争われます。

⑤については,たとえばDV,モラルハラスメント(暴言等),浪費,
長期間の別居,異常な性癖,没交渉,子供への虐待,宗教活動,性格の不一致等,
色々な事情が挙げられますが,どれか一つが認められても,裁判所は,
なかなか婚姻を継続し難い重大な事由とまでは認めてくれないことが多いので,
訴訟では,夫婦の不和を裏付けるようなあらゆる事情を並べ立てて,
婚姻が破綻していると主張されることがほとんどです。

今回の訴訟でも,原告の高嶋側はそのようなやり方で婚姻破綻を主張していたようです。

このケースでは,高嶋側が復縁の意思のないことをかなり以前から明確に示し,
訴訟中も夫婦の不和を裏付けるような様々な証拠が出されていたようでしたし,
高嶋と美元の同居期間が非常に短く,弁論が終結した時点で,
別居の期間が同居していた期間をかなり上回っていたこともあったので,
婚姻を継続し難い重大な事由が認められやすいケースのように思えました
(正直言って,このケースで婚姻が破綻したと認められないんだったら,
一体どんな場合に婚姻破綻が認められるんだって感じです。。)。

ただ,たとえ婚姻を継続し難い重大な事由があると認められても,直ちに
離婚判決が下るわけではありません。
判例上認められた法理として,もっぱら婚姻破綻に責任がある配偶者(有責配偶者)
からの離婚請求は認められないというものがあるからです。

そのため,実務上では,離婚訴訟を起こされた被告側は,婚姻破綻自体を争いつつも,
万が一婚姻破綻が認められてしまった場合に備え,「仮に,婚姻が破綻しているとしても,
その責任はもっぱら原告側にあるので,有責配偶者からの離婚請求は認められない。」
という主張をすることが多いです。

今回の訴訟でも,美元側は,そのような主張をしていたようです。
本来であれば,婚姻の破綻を示す証拠になってしまうような,
高嶋によるDVの際の録音を,あえて被告である美元側が出してきたのは,
高嶋側のDV等で婚姻が破綻したことを裏付けるためなのでしょう。

もっとも,今回の判決では,婚姻の破綻についての責任は,もっぱら高嶋側
のみあるわけではないと判断されたため,離婚が認められたわけです。


報道からでは,判決における詳しい判断の過程が分からないので,是非全文を読んで
みたいです(法律家としての興味半分,芸能ウォッチャーとしての興味半分
て感じですが。。)。


まあ,美元側が今回の判決に納得するとは到底思えず,きっと控訴するでしょうし,
下手すると最高裁までもつれ込むことも考えられ,高嶋側の苦悩
(そして,芸能記事のネタ)は,後1~2年ほど続くことになりそうですね。。

身に覚えのない罪で捕まったときの対処法の3回目になります。
今回が一応最終回となります(今後,今回書ききれなかったことを
どこかでまとめようとは思ってます。)。

その1はこちら
その2はこちら

その3 すぐに弁護士を呼ぶこと

その1,その2では,身に覚えのない罪で捕まってしまった場合の
自分自身の対処法について述べてきました。

しかしながら,身体拘束を受けて,外部との連絡がほとんど取れない異常な
状況下に置かれてしまうと,よっぽど肝の据わった人でもない限り,
20日間も厳しい取調べに耐え続けることができるものではありません。
特に,接見禁止といって,弁護士以外の一般人に会うことができない措置が
採られると,本当に精神的に厳しいことになってしまいます。

また,その1やその2で書いてきたように,否認事件では,取調官は,
何とか被疑者の口を割ろうとして,色々な嘘をついて自白を採ろうとします。
その場合,自分自身で取調官の言っていることが正しいのかを冷静に判断する
ことなどできるはずもありません。

ですから,もし身に覚えのない罪で捕まった場合は,できるだけ早く
弁護士を呼んで下さい。

「弁護士の知り合いなんていないよ~。」
という方もいらっしゃるかもしれません(まあ,このブログを読んでいただいている方で,
神奈川県にお住まいの方は,私を呼んでいただければいいと思いますが(笑))。

そんな方でも大丈夫!
当番弁護士制度
があります!!

当番弁護士についての詳しい説明は省きますが,各弁護士会が実施しているもので,
身体拘束を受けた方の要請があれば,弁護士が無料で1回接見に行くというものです。

そこで,逮捕されてしまったら,迷わず警察の人に当番弁護士を呼んでほしいと
伝えてください。
そして,来てくれた弁護士に問題がなさそうなら,すぐに弁護を依頼した方がいいです。

では,その弁護士がどうも頼りなかったり,逆に弁護を断られてしまったり,
弁護士報酬が準備できなかったりして,当番の弁護士に依頼しなかった場合は
どうしたらいいでしょうか。

一定以上の重い刑罰(死刑,無期,長期3年を超える懲役または禁固)が
定められている犯罪で捕まった方であれば,被疑者国選弁護制度を利用できますので,
すぐに被疑者国選弁護を請求してください。
この場合,たとえお金がなくても依頼することができます。

被疑者国選弁護の対象事件ではない罪(暴行・痴漢等)で捕まってしまった場合に
どうするか悩みますが,先述のとおり,否認事件の場合に一人で戦い抜くのは
非常に困難ですので,できる限り弁護士に依頼すべきです。

そこで,当番で来た弁護士に知り合いの弁護士を紹介してもらったり,
留置施設で同房の人の弁護士を通じて頼んでみたりして,何とか
弁護士にアクセスした方がいいでしょう。

たとえ,弁護士に依頼するお金がなくても,弁護士によっては日弁連の
刑事被疑者弁護援助という制度を利用して依頼を受けてくれる人もいます。


弁護士との接見を通じて,現在の自分の置かれた状況を確認したり,
その1・その2で書いてきたようなことを適宜アドバイスしてもらったり,
取調官の言っていることが本当かどうか確認したりできますし,
自分の味方になってくれる人がいると思うだけでも,精神的に随分と楽になる
ものです。

捜査のプロでかつ巨大な組織体である警察や検察に対して,自分一人で
戦うのは,格闘技をやったことのない人が,いきなりプロレスの道場に
殴りこみをかけるようなものです。
身の覚えのない罪で捕まった人は,可能な限り早く弁護士を付けることを
お勧めします。
身に覚えのない罪で捕まったときの対処法の2回目になります。

その1はこちら

その2 調書の作成の際は慎重に

取調べが進んでいくと,要所要所で調書(供述調書)が作成されます。

刑事が作る調書のことを,司法警察員面前調書(員面やKSとも呼ばれる。)といい,
検察官が作る調書のことを,検察官面前調書(検面やPSとも呼ばれる。)といいます。

刑事や検察官は,調書を作り終えると,被疑者に読み聞かせたり,
実際に調書を読ませたりして,内容を確認させ,被疑者に署名と押印(指印)をさせます。

多くの方は,あまり意識することなく,流れで署名・押印してしまうのですが,
実は,この署名と押印がその後の刑事手続に重大な影響を与え,
天国と地獄を分ける
ことにもなりかねないのです。


捜査段階で一度自白調書を取られてしまうと,その後に否認に転じたとしても,
刑事裁判では,その自白調書が証拠として採用されてしまい,自白調書どおりに
事実認定がされてしまうことがほとんどです。

「刑事の取調がきつくて,つい嘘の自白をしてしまったが,裁判官は
きっと分かってくれる。」などと思っている人も多く,実際にそう考えて
やってもいないことを自白してしまう人が後を絶ちませんが,これは大間違い。

裁判官というものは,ものごとを,合理的か不合理かで判断する生き物です
(そのこと自体が悪いわけではありませんし,非難しているわけではありません。)。
ですから,やってもいないことを,「やった。」と言うことはあり得ないという
前提に立って事実を判断しますので,一度でも自白調書を取られてしまうと,
後でこれを覆すことは非常に難しいのです。

裁判で,取調中に暴力や利益誘導があったなどと主張して,自白調書の信用性を争っても,
そのような不当な取調べそのものを証明する証拠など存在しないことが普通であり,
非常に難しい戦いを強いられることがほとんどです。
本来であれば,取調べを全部録画しておくのがベストなのですが,現在のところ
まだそのような運用は認められていません。

また,自白調書でなくても,取調官はプロなので,犯罪事実を否認する調書の中に,
被疑者にとって不利益な事実を,巧妙に忍び込ませていることもあります。
ですから,調書を作成する場合は,極めて慎重になる必要があります。

調書作成の際に注意すべき点は,以下のとおりです。

⑴ 内容の確認はしっかりと

調書に署名・押印を求められたら,内容をしっかりと確認してください。
読み聞かせだけだと内容を正確に判断できないことも多いので,
必ず自分の目で読むようにしてください。

⑵ 問題がある場合,訂正を求めること

内容を確認して,事実と違う点や表現が気になる点があれば,
すぐに訂正を求めてください。
これは権利なので,遠慮することは全くありません。
先ほど書いたとおり,一度出来上がってしまうと争うことが非常に
難しいので,どんな細かいことでも訂正してもらってください。

⑶ 必要であれば署名・押印を拒否すること

被疑者には,署名・押印をしなければならない義務は一切ありません。
自分の意思でしたければ,すればいいのです。被疑者には黙秘権が認めら
れているからです。

ですから,取調官が調書の確認や訂正に応じない場合や事実と違う内容の
調書を強引に作成しようとする場合は,迷わず署名や押印を拒否してください。
署名・押印を拒否すると,途端に取調官の当たりがきつくなりますし,
色々なことを言って(たとえば,「署名・押印を拒否するような奴は,刑が
重くなるぞ。」とか。),署名・押印をさせようとしますが,そこは頑張って
耐えてください。

⑷ ひどい場合には完黙もあり

調書の訂正に応じないというレベルを超えて,取調官がこちらの言い分を全く
聞こうともせず,とにかく自白を採ることだけに血道をあげている場合は,
最終手段として完全黙秘するという方法もあります。
取調べは苛烈を極めるかもしれませんし,被疑者自身の精神的なダメージも
大きいですが,取調官が一番困るのはこれだそうです。


次回は,弁護士の重要性についてです。

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