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先日(と言っても,もう一週間以上前ですが・・・),証人尋問について
書きましたが,今回は,証人尋問の山場である反対尋問のセオリーについて少し書いてみたい
と思います。

よくTVドラマの法廷シーンで,検察官や弁護士が相手方の証人や当事者に対して,

「本当は,・・・・だったんじゃないんですか!!??」
「どうして,・・・・したんですか??!!
おかしいじゃないですか!!」


みたいな反対尋問をしているのを見かけます。

ですが,反対尋問のセオリーからすると,上記のような質問の仕方は
おかしい
ということになります。


原則として,誘導尋問が許されない主尋問と違い,反対尋問では
誘導尋問が全面的に許されています。
また,事前に証人テストができる主尋問と異なり,反対尋問では
相手方が何を答えてくるか分かりません。

そのため,反対尋問では,答えが事前に予測できないようなオープンな
質問は極力避け,原則として誘導尋問で質問をしていくことになります。
つまり

「あなた,平成○○年○○月○○日午前10時ころ,~にいましたね。」
「あなたは,そこで・・・・をしていましたね。」
「・・・・をしている最中,あなたは,××さんが通りかかるところを
見ましたね。」

というような聞き方で尋問をしていくことになります。

また,反対尋問で誘導尋問をする場合は,基本的には,証人が「はい。」としか
答えられないような質問しかしないようにします。
つまり,尋問者は,事前に証拠を精査して,証人が認めるであろう
こちらに有利な質問事項を事前に考えて,ひたすら誘導で聞いていく
ということになるのです。

もっとも,冒頭に挙げたような,

「本当は,・・・・だったんじゃないんですか。」

というような質問の仕方をすべきときもあります。
それは,証人の証言を潰す材料がある場合です。
そういう場合,証人にひたすら材料と矛盾する証言をさせて,
もはや言い逃れできないところまで追い込んでから,最後に潰す材料を示すようにします。

例を挙げます。

証人Aの証言=私は,事件当時,車道の左側を走っていました。
尋問者が主張する事実=証人Aは,事件当時,車道の右側を走っていた。
証拠=証人Aが事件当時車道の右側を走っていたところを撮影した写真

このような場合
「事件当時,あなたは,車道のどちら側を走っていましたか。」
というように,あえてオープンな聞き方をして,
証人Aに,「車道の左側を走っていた。」という回答をさせます。

更に,
「いやいや,本当は車道の右側を走っていたんじゃないですか。」
というような質問をして,証人Aの「左側を走っていた。」という
証言を固めます。

そして,証人Aに写真を示し,
「この写真は,事件当時のあなたの運転する自動車を撮影したものですね。」
「この写真では,あなたは,車道のどちら側を走っていますか。」
という質問をして,証人Aの証言を潰しにかかります。

ここで気をつけなくてはいけないのは,証人Aから
「車道の右側。」という答えを引き出した後,それ以上
証人Aにしゃべらせず,すぐに次の質問に行くということです。

「あなた,さっきは左側と言っていたのに,写真では右側を走っている
のは,どうしてですか!?」
というような質問をしてはいけません。
証人Aに言い訳をする機会を与えることになるからです。


以上が,反対尋問のセオリーということになります。
では,証人を潰す材料もなければ,誘導尋問でこちらに有利な答えを
引き出す余地も全くない場合は,どうすればよいのでしょうか。

反対尋問のセオリーからすると,そういう場合は
何も聞かない
というのが正解ということになります。

以上,反対尋問のセオリーについて書いてきましたが,実際の反対尋問に
ついては,また機会を改めて書こうと思います。
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