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【パソコン遠隔操作事件】検察が保護処分取り消し要請へ 逮捕の学生、関与否定 


さて,PCを遠隔操作して,他人のPCから脅迫文を書き込んでいた事件が
巷を賑わせています。

今回の事件では,複数の人が逮捕され,その内何人かは,やってもいないはずなのに,
取調べで犯行を自白してしまったようです。
また,上記のリンクの記事にあるように,横浜では,少年が自白して,
保護観察処分となってしまった例もあったようです。

このような事件で,特定のPCからアクセスがあり,脅迫文が書き込まれていた
のであれば,事件自体に多少の不自然さがあっても,そのPCの所有者や使用者が
疑われ,捜査の対象となってしまうのはやむを得ないところがあると思います。

また,警察や検察は,必ずしもコンピューターに明るいわけではないので,
遠隔操作が可能なウィルスに考えが及ばず,PCの所有者や使用者を逮捕
してしまったのも,十分にあり得ることだと思います。


では,どうして,誤認逮捕された人達の中に,やってもいないことを認め,
自白してしまった人が複数もいたのでしょうか。

よく,こういった誤認逮捕が起こるたびに,マスコミは,
「警察や検察は,逮捕された人が犯人でない可能性も十分配慮して捜査をすべきだ。」
という論調の記事を見かけます。

しかし,警察(場合によっては検察)は,逮捕する相手を犯人であると考えて逮捕して
いるのですから,その人が犯人でない可能性を考えながら捜査を進めるということは
普通はあり得ないのです。
そこに疑いを持っているなら,警察は,そもそも逮捕に踏み切りません。

また,警察は,被疑者を一度逮捕してしまうと,長くても3週間程度の期間内に
起訴できなければ,釈放しなければいけません(この辺りの刑事手続の流れについては
また機会を改めて。)。

そのため,その非常に短い期間に,被疑者を起訴まで持っていくに足りる
証拠を集めなければならないのですから,被疑者が犯人でないことを
前提とした捜査を行う余裕などありません。

今回誤認逮捕された方の多くは,「警察も検察も,言い分に全く聞く耳を持ってくれなかった。」
と言っているようですが,それは,上記のような事情があるからです。

また,警察も検察も自白を採ることを非常に重視します(これは,裁判所が自白調書を,
非常に有力な証拠と考えるからなのですが。。)。

そのため,否認している被疑者に対しては,長時間の執拗な取調べが行われたり,
密室での利益誘導(「認めたら,早く出してやる。」,「罪を軽くしてやる。」)が
行われたりします。
最近でこそ,少なくなってきたようですが,以前は暴力によって自白を採るということも
よく行われていました。
当然,被疑者が事件に関与していないことを説明しようとしても,頭ごなしに
否定されてしまいます。

長期間の身柄の拘束を受けて,行動の自由が制限されている中で,
このような取調べを連日受けていると,否認し続けるのが非常に苦痛になります。

また長期間の身柄拘束は,会社に勤めている人は失職,学校に通っている人は
退学となるおそれも高く,捜査官の「早く出してやる。」と言う言葉を鵜呑みに
してしまう人も多いのです。

更に,そのような取調べを受け続けていく内に,段々と自分がやったのではないかと
思い込むことすらあります。

このようなことは,実際に身柄を拘束され,厳しい取調べを受けたことがない人
にはなかなか想像できないと思いますが,日々身体拘束を受けた被疑者と接している
弁護士にとっては,非常に切実な問題として感じます。


次回は,身に覚えのない罪で身柄を拘束されてしまった場合の対処法に
ついて書きたいと思います。
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